専門実践教育訓練給付金は、
原則、
教育訓練経費×50%
資格取得し、1年以内に雇用保険に加入した場合、
教育訓練経費×70%
もらえます。
専門実践教育訓練給付金は、6か月ごとに申請し、その一週間後に振り込まれます。
なお、
一般教育訓練給付金については『【在職者もOK】一般教育訓練給付金について【対象講座一覧】』、
特定一般教育訓練給付金については『特定一般教育訓練給付金について【対象講座一覧】』のページをご覧ください。
動画解説について
教育訓練給付制度を一度も利用したことがない方むけの動画を作りました。ぜひ一度ご覧ください。
特にわかりづらい専門実践教育訓練給付金の受給のタイミング、金額等はこちらの動画を見ていただく方がわかりやすいです。
Youtubeチャンネルへのリンク:おしごとーり
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専門実践教育訓練給付制度
まずは、3つの用語について簡単にざっくり説明します!!!
『専門実践教育訓練』の対象の教育訓練の講座に通うと
『専門実践教育訓練給付金』がもらえて、
さらに失業していると条件により『教育訓練支援給付金』がもらえる場合があります。
専門実践教育訓練給付制度は、中長期的なキャリア形成支援に資する専門的かつ実践的な教育訓練の制度です。
通常1~3年くらいの訓練を想定しています。
つまり資格をとるにはちょっと時間がかかるけど、資格を取ると即就職できるような訓練ということです。
どんな対象講座があるかはとても長くなりますので、本記事の一番下に記載しています。
ちなみに特定一般教育訓練というのがあるんですが、『速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練』という趣旨の教育訓練です。
こちらについては、『特定一般教育訓練給付の対象は?』をご覧ください。
専門実践教育訓練給付金
対象者は?【専門実践教育訓練給付金】
受講開始日に、雇用保険の加入期間が3年以上ある方(※)
※ただし、教育訓練給付制度(専門実践以外の教育訓練給付制度も)を利用したことがない場合は2年の加入期間でOK
ちなみに、在職中でも受講できます。
また、雇用保険の基本手当は別制度なので、受給歴があっても関係ないです。
金額は?【専門実践教育訓練給付金】
もらえる金額についてはとても複雑です。
通常、6カ月ごとに申請します。
原則の金額
原則は、
教育訓練経費×50%
資格取得し、1年以内に雇用保険に加入した場合、
教育訓練経費×70%
支給されます。
つまり、資格取得し1年以内に雇用保険に加入すると、ご褒美的な感じで、
50%→70%にアップするということです。
但し上限額があり、
上限額は
1年間の訓練は、40万円、資格取得した場合56万円。
2年間の訓練は、80万円、資格取得した場合112万円。
3年間の訓練は、120万円、資格取得した場合168万円。
となる。
そして、3年間の訓練に通うとしても、
1年間にもらえる金額には上限があります。
例えば年間の授業料が100万円、入学金10万円、3年間の訓練に通ってたとします。
6か月に一度ずつ申請しますので、年2回×3年の計6回申請をします。
- 入校一か月前までに・ハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受けジョブ・カードを作成
・「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」をハローワークに提出 - 入校訓練校入校
- 6か月後【1回目】60万円(授業料の半期プラス入学金)×50%=30万円支給
- 1年後【2回目】50万円(授業料の半期)×50%=10万円支給
- 1年半後【3回目】50万円(授業料の半期)×50%=25万円支給
- 2年後【4回目】50万円(授業料の半期)×50%=15万円支給
- 2年半後【5回目】50万円(授業料の半期)×50%=25万円支給
- 3年後【6回目】50万円(授業料の半期)×50%=15万円支給
1回目は
60万円(授業料の半期プラス入学金)×50%=30万円
2回目は
50万円(授業料の半期)×50%=10万円
これはなぜ25万円にならないかというと
3年の訓練であっても一年の上限が40万円だからです。
3回目は
50万円(授業料の半期)×50%=25万円
4回目は
50万円(授業料の半期)×50%=15万円
これはなぜ25万円にならないかというと
年間の上限が40万円だからです。
で、今のを残り2回繰り返します。
すると、最終的に3年間教育訓練に通うと
120万円
給付が受けられます。
まとめると、三年間の授業料と入学金は計310万円。
310万円×50%=120万円(155万円だが上限120万円)
というように、最初の段階でいくらもらえるかを計算できます。
6か月ごとの申請で、その都度もらえる金額が異なるのがわかりづらいですね。
そして、訓練を終了し、資格取得して1年以内に雇用保険に入ると、
追加で20%もらえます。
つまり、
教育訓練経費×70%
ということになります。
例えば、先ほどと同じく年間の授業料が100万円、入学金10万円、3年間の訓練とします。
310万円×70%=168万円(計算上は217万円だが上限ありのため)
ただし、この時点ですでに50%分の120万円はもらっている状態です。
したがって、
168万円ー120万円=48万円
ということで資格を取得して、1年以内に雇用保険に加入すると
追加で48万円もらうことができるということです。
4年間の専門実践教育訓練の場合
そして、
平成31年4月から、期間が4年間の専門実践教育訓練が追加されました!
いまのところ、管理栄養士の教育訓練だけです。
4年間の上限が160万円、資格取得をした場合224万円となります。
金額が単純に、一年分増えるということです。
とてもわかりづらいので表にしました
資格取得とは、資格を取得し1年以内に雇用保険に加入した場合です。
申請方法【専門実践教育訓練給付金】
訓練に通う前に(受講開始の1か月前までに)
訓練前キャリアコンサルティングにてジョブ・カードを作成し、
『教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票』を受講開始の1か月前までに、
ハローワークに提出する必要があります。
(写真とか、免許証とかマイナンバーカード、通帳とかも添付書類として必要です)
年に1回しか入校日がない教育訓練の場合は、計画的に行動しないと間に合わなくなります。
訓練前キャリアコンサルティングは予約制なので、早めにハローワークで予約しないとまずいです。
訓練中に
6か月ごとに、ハローワークに申請が必要です(1か月以内)。
ハローワークからもらえる『教育訓練給付金受給資格者証』、『教育訓練支給申請書』、『領収書』等をもって申請します。
『教育訓練給付金受給資格者証』以外は、訓練施設からもらえます。
訓練終了後に
訓練終了後、資格取得し1年以内に雇用された場合は、入社後の1か月以内に申請します(70%の給付申請)。
教育訓練支援給付金
そして、上記の専門実践教育訓練給付金をもらっている場合、
条件により教育訓練支援給付金(※)がもらえます!
※教育訓練支援給付金は令和7年3月31日までの時限措置です
対象者は?【教育訓練支援給付金】
条件とは『失業していて』かつ、下記すべて満たす必要があります。
- 専門実践教育訓練給付金の対象者
- 終了する見込みがあること
- 45歳未満であること
- 夜間制・通信制でないこと
- 教育訓練支援給付金の受給資格決定時に退職して、雇用保険に加入していない事
- 会社の役員でないこと
- 以前に教育訓練給付金を受けたことがないこと
- 受講開始日が令和7年3月31日以前であること
金額は?【教育訓練支援給付金】
教育訓練支援給付金の日額は、
原則として離職前6か月の賃金から計算される『基本手当日額』の80%の額です。
その金額が、訓練中の失業している日に支給されます。
雇用保険の基本手当日額について詳しく知りたい方は『雇用保険の受給資格ともらえる金額【直近6ヶ月の賃金で計算します】』をご覧ください。
期間は?【教育訓練支援給付金】
原則として、その専門実践教育訓練が終了するまで給付を受けられます。
期間内の『失業している日』について受けることができます。
ただし!雇用保険の基本手当を受給できる場合は、先に基本手当を受給します。
雇用保険が支給終了になってから、初めて教育訓練支援給付金を受けることができます。
補足 つまり、3/31に自己都合退職(90日基本手当がもらえるとする)して、
4/1から入校する場合は、
4/1~4/7待期期間、4/8~6/7給付制限期間、6/8~9/5基本手当(90日)。
9/6から教育訓練支援給付金がスタートします。
『待期期間』、『給付制限』等の雇用保険のついての説明は、『雇用保険の全手続きのまとめ【金額は?計算方法は?いつからもらえる?会社都合?】』をご覧ください。
申請方法は?【教育訓練支援給付金】
専門実践教育訓練給付金と同時に申請します。
給付の申請手続きは、2か月に1回、教育訓練支援給付金の認定日にハローワークで失業の認定を受けて支給されます。
専門実践教育訓練の対象講座
第四次産業革命スキル習得講座
第四次産業革命スキル習得講座とは、急激な産業構造の転換に対応するため『クラウド、IoT、AI、データサイエンス、自動運転等』のスキルが習得ができる講座を経済産業省が指定したものです。
詳細は『【専門実践教育訓練】給付金が利用できるプログラミングスクール《転職》』をご覧ください。
専門実践教育訓練の対象講座
- 業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする養成施設の過程
- 専門学校の職業実践専門課程
- 専門職大学院
- 職業実践力育成プログラム
- 一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする過程
- 第四次産業革命スキル習得講座
- 1、業務独占資格・名称独占資格の具体例は、
- 介護福祉士
- 看護師
- 美容師
- 歯科衛生士
- 保育士
- 調理師
- 社会福祉士
- はり師
- 精神保健福祉士
- 准看護師
- 栄養士
- 柔道整復師
- 助産師
- 理容師
- 理学療法士
- あん摩マッサージ指圧師
- 言語聴覚士
- 臨床工学技士
- キャリアコンサルタント
- 歯科技工士
- 製菓衛生師
- 作業療法士
- 視能訓練士
- 保健師
- 測量士補
- 海技士
- 臨床検査技師
- きゅう師
- 電気工事士
- 建築士
- 管理栄養士
- 義肢装具士
- 測量士
- 航空運航整備士
- 2、専門学校の専門学校の職業実践専門課程は
- 医療事務
- ペットトリマー
- 観光
- ウエディングプランナー
- アニメーション
- WEBデザイン
- 自動車整備
- グラフィックデザイン
- 建築
- ファッション
- 3、専門職大学院
- MBAプログラム
- 国際企業戦略
- 教育
- 法学大学院(司法試験)
- 情報等の工学系
- 公衆衛生
- 会計研究
- 公共政策
- 臨床心理学
- etc.
- 4、職業実践力育成プログラム
- 看護師の研修(認知症看護、緩和ケア、・・・)
- リハビリテーション
- 中小企業診断士
- 保健
- 工学
- 農学
- etc.
- 5、一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする過程
- CCNP
- NW技術者
- etc.
- 6、第四次産業革命スキル習得講座
- AIエンジニア
- データサイエンティスト
- ホワイトハッカー
- 機械学習
- ディープラーニング
- セキュリティ
- etc.
詳しい講座は、厚生労働省の『教育訓練給付の講座指定について』のページに、講座一覧のPDFファイルが置いてありますのでご覧ください。
もしくは、
『教育訓練講座検索システム』から検索ができます。
補足
公共職業訓練の『長期高度人材育成コース』について
保育士、介護士、福祉士・IT系等の資格を目指している方には『長期高度人材育成コース』の公共職業訓練(2年)もあります。
こちらは授業料無料(テキスト代、実習代は実費)で、受講指示を受けると雇用保険をもらうことができます。
詳しくは『【職業訓練】2年コース(保育士・IT等)について【雇用保険を最長でもらう方法】』をご覧ください。