雇用保険をもらっている方は、
①『広域求職活動費』:遠方の会社(200km)に面接を受けに行った場合の交通費
②『移転費』 :遠方に就職が決まって、引っ越しをするときの費用(通勤時間往復4時間以上のため)
という給付を受けられる場合があります。
注意点として
広域求職活動費 :『ハローワーク』の紹介
移転費 :『ハローワーク又は民間の職業紹介事業者』の紹介
でないと給付は受けられません。
民間の職業紹介事業者については『無料の求人サイトと転職エージェントサイトの違い』をご覧ください。
動画解説について
雇用保険制度について動画で解説しています。
Youtubeチャンネルへのリンク:おしごとーり
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広域求職活動費
支給要件
・雇用保険の受給資格者
・ハローワークで紹介された求人であること
・その求人が、常用求人(※)であること
・『雇用保険を受給しているハローワーク』から『面接する会社の所在地を管轄するハローワーク』の往復の距離が200キロメートル以上であること
・雇用保険の待期期間が終了していること
・面接する会社から交通費等がでないこと、もしくは交通費等をもらえた場合でも、広域求職活動費未満しかもらえないこと
※期間の定めがない、または1年以上の雇用が見込まれるフルタイムの求人
支給額『鉄道賃、船賃、航空賃、車賃』『宿泊料』
鉄道賃、船賃、航空賃、車賃
・普通旅客運賃+普通急行列車料金または特別急行列車料金
※普通急行列車は50Km以上100Km未満、特別急行列車は100Km以上
特別特急列車と新幹線のことです。
・2等運賃相当額
・実費(領収証が必要)
・1Kmにつき37円
宿泊料
・1泊8,700円(甲地方※)または7,800円(乙地方)
・ただし、鉄道賃の額の計算の基礎になる距離が、400km未満の場合は支給されない。
甲地方とか乙地方というのは公務員の旅費法に出てくる用語です。
・甲地方は、さいたま市、千葉市、特別区、横浜市、川崎市、名古屋市、奈良市、大阪市、堺市、神戸市、広島市、福岡市
・上記以外の都市は、乙地方
何泊分受給できるかは、下記の表になります。
距離 | 2か所以上の訪問 | 3か所以上の訪問 |
---|---|---|
400Km以上800Km未満 | 1泊 | 2泊 |
800Km以上1,200Km未満 | 2泊 | 3泊 |
1,200Km以上1,600Km未満 | 3泊 | 4泊 |
1,600Km以上2,000Km未満 | 4泊 | 5泊 |
2,000Km以上 | 5泊 | 6泊 |
支給手続き
- ハローワーク
職業相談部門ハローワークの職業相談窓口で、職業紹介を受ける。広域求職活動費の申請について伝える。 - ハローワーク
雇用保険窓口ハローワークの雇用保険窓口で、『広域求職活動指示書』『広域求職活動面接等訪問申請書』をもらう。 - 面接する会社面接時に、『広域求職活動面接等訪問証明書』の事業主証明欄に記載をお願いする。
- ハローワーク
雇用保険窓口面接から10日以内にハローワークに申請する。
【必要書類】
広域求職活動費支給申請書、広域求職活動指示書、
雇用保険受給資格者証、広域求職活動面接等訪問証明書
補足
切符とかいるの?
航空賃の請求には領収証は必須ですが、それ以外はいりません。
絶対に利用できるの?
まてよ、この制度を使えば、日本国内旅行し放題なのでは!?
広域求職活動費は、ハローワーク窓口の紹介で、かつ『ハローワーク所長が必要があると認めたとき』に支給できるというものです。
ハロワ職員が納得できる理由がない場合は、紹介状が発行されないでしょう。
というか相手先企業に失礼なのでだめです。
相手先企業も、遠方で就職しようという事に理由がないと、面接に呼ばないでしょう。
じゃあ、国はどんな人を対象として考えているのかというと、
『都市部から地方への就職(いわゆるUIJターン)』を考えている人です。
こんな方は積極的に利用しましょう。
移転費
移転費は本人と随伴する親族の分も支給されます
・受給資格者の収入により生計を維持されている同居の親族
支給要件
・雇用保険の受給者であること
・ハローワーク、特定地方公共団体、職業紹介事業者が紹介した職業(※1)につくため、または公共業訓練を受けるために住所を変更する場合
・就職する会社(訓練施設)が次のいずれかに該当する場合(※2)
・雇用保険の待期期間が経過した後に就職(訓練開始)すること。
・就職する会社(訓練施設)から就職準備金等が支給されない事。または支給額が移転費未満であること
・雇用期間が1年未満の場合や、循環的に雇用されることが慣行となっている場合はダメです。
・通勤時間が往復4時間以上の場合
・交通の便が悪く、通勤困難な場合
・移転先の特殊事情により、移転を余儀なくされた場合
公共職業訓練の場合はハローワークでの受講指示が必須です。
受講指示については『職業訓練の受講指示について』をご覧ください。
支給額『鉄道賃、船賃、航空賃、車賃』『移転料』『着後手当』
鉄道賃、船賃、航空賃、車賃
こちらについては、広域求職活動費と同じです。随伴する親族の分も出ます。
金額は同じなのですが、
広域求職活動費は『管轄のハローワーク』から『会社の管轄のハローワーク』まで
移転費は『旧住所』から『新住所』まで
の交通費が出ます。
移転料
移転料として親族の数に関係なく下記の金額が、単身の場合は2分の1の金額が支給されます。
距離(Km) | 50未満 | 50以上 100未満 | 100以上 300未満 | 300以上 500未満 | 500以上 1000未満 | 1000以上 1500未満 | 1500以上 2000未満 | 2000以上 |
移転料 | 93,000 | 10,700 | 132,000 | 163,000 | 216,000 | 227,000 | 243,000 | 282,000 |
着後手当
親族が随伴するかどうかによって下記の手当が支給されます。
・親族を随伴する場合 :76,000円(100Km以上の場合95,000円)
・親族を随伴しない場合:38,000円(100Km以上の場合47,500円)
支給手続き
- 新住所の管轄ハローワーク移転の日の翌日から1か月以内に
・移転費支給申請書、雇用保険受給資格者証、(ハロワ以外の場合は職業紹介証明書)
を提出する。
ハローワークから『移転費支給申請書』と『移転証明書』が交付される - 就職先就職先の会社に『移転費支給申請書』と『移転証明書』を提出する
- 就職先就職先の会社が『移転費支給申請書』と『移転証明書』に事業主の証明をして、ハローワークに返送する
補足
引っ越し業者の領収証とかいるの?
不要です。広域求職活動費と同様、航空賃のみ領収証が必要です。
その他の雇用保険の手続きについて
その他の雇用保険の手続きについては『雇用保険の全手続きのまとめ【金額は?計算方法は?いつからもらえる?会社都合?】』をご覧ください。