再就職手当を受給して、再就職後の6か月の賃金が前職より下がった場合に就業促進定着手当を申請できます。
まずは、最初に誤解しやすいポイントについてわかりやすく解説します。
本ページの内容を図解も交えて動画で解説してみました。
お時間がございましたら、ぜひご覧ください!!
なお、再就職手当については『【雇用保険】再就職手当の計算と申請方法』をご覧ください。
動画解説について
雇用保険制度について動画で解説しています。
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就業促進手当と再就職手当と基本手当との関係
例えば、雇用保険を90日もらえる方がいたとします。
ああ、俺は失業が長引いて、雇用保険を90日分全部もらったから、再就職手当をもらえなかった。
しかも再就職手当を受給して、
前職の給与と比べて再就職後の給与がさがると就業促進定着手当ってのも申請できたんだろ?
すげー、損したなー。
こんな感想をもっている方がいましたら、大きな勘違いです。
雇用保険を『90日分全部もらう』というのが一番得をしています。
(あくまでお金をもらうという点だけですが・・・・)
このケースは、雇用保険90日分が本人がもらえる最大金額です。
通常は、就職したら残日数が残っていても雇用保険は打ち切りです。
しかし、残日数を残して就職した場合に、
再就職のご褒美(?)としてその残日数から再就職手当及び就業促進定着手当を受給できるということです。
ちょっとわかりづらいと思いますので次の項目以降で具体的に説明していきます。
就業促進定着手当の対象者
就業促進定着手当の対象者は、
・再就職手当を受給していること
・再就職から同じ会社に6か月以上雇用されていること
・再就職後6か月間の賃金の1日分の金額(以下みなし賃金日額という)が、離職前の賃金日額以下であること
・賃金日額:離職日前、6か月の賃金の総額を180で割った金額
・みなし賃金日額:再就職後、6か月の賃金の総額を180で割った金額
就業促進定着手当の計算方法
就業促進定着手当の計算方法は、
(離職前の賃金日額 - みなし賃金日額)×賃金支払基礎日数
ただし、上記の算出した金額には上限額があります。
支給上限額= 基本手当日額×支給残日数×(30%又は40%)(※)
※再就職手当の給付率が70%の場合は30%
再就職手当の給付率が60%の場合は40%
再就職手当の給付率:再就職手当は、基本手当の残日数が2/3だと70%、1/3だと60%の給付率になる。
基本手当、賃金日額、支払基礎日数の詳細は『雇用保険の受給資格ともらえる金額【直近6ヶ月の賃金で計算します】』をご覧ください。
計算の具体例
それでは、下記のような具体例で考えていきます。
基本手当:5,544円
賃金日額:8,333円
所定給付日数:90日
20日だけ基本手当を受給し、再就職したとします。
そして、再就職後の6か月間の賃金の1日分の額を7,000円、賃金支払基礎日数を120日とします。
仮に、90日間すべて失業して給付をうけとると
『90日×基本手当日額』ですので、
90×5,544=498,960円
です。
今回の就業促進定着手当の受給例は
20日分を失業給付として110,880円
再就職手当として271,656円
就業促進定着手当として116,424円
ということで合計すると498,960円になります。
つまり、今回は90日間失業したのと同じ金額が最終的にはもらえたということです。
就業促進定着手当の申請方法
- 入社日入社
- 再就職手当申請入社日から1か月以内に再就職手当を申請
- 申請から1か月程度再就職手当が振り込まれる。
支給通知書と一緒に就業促進定着手当支給申請書が自宅に送られてくる。 - 入社日から6か月後入社日から6か月経過後に2か月以内に就業促進定着手当を申請する。
- 申請から15日程度就業促進定着手当が振り込まれる。
申請期間:再就職した日から、6か月経過した日の翌日から2か月以内
申請書類:就業促進定着手当支給申請書、雇用保険受給資格者証、出勤簿の写し、給与明細または賃金台帳の写し
補足
自営(個人事業主として開業)で再就職手当をもらった場合は?
自営の場合は残念ながら就業促進定着手当はもらえません。
6か月間働いて7か月目に辞めた場合はどうなる?
この場合は就業促進定着手当はもらえます。
例えば、3か月目に週20時間未満の勤務に契約変更になった場合は?
この場合は就業促進定着手当は、もらえません。
しかし、残日数が残っていて、受給期間満了日になっていない場合は雇用保険を再開できます。
なぜなら、雇用保険上、週20時間未満の仕事は失業しているとみなすからです。
その他の雇用保険の手続きについて
その他の雇用保険の手続きについては『雇用保険の全手続きのまとめ【金額は?計算方法は?いつからもらえる?会社都合?】』をご覧ください。